Amigos No.116-2
2017年3月
マンチャイから兄弟で国立大学へ
卒業生の報告
ここ数年、CALOでは寄贈、配布しているCALOの算数ドリルを使って勉強した子どもたちがどのように成長しているのかを知りたく、
卒業生を追跡して会って話を聞くことを試みています。彼らが算数ドリルを使った6年間を思い出してもらい、
どんな影響を与えたのかを知りたいと思っています。 オチャンテ ロサ |
ビルヘン・デル・ロサリオ小学校
首都のリマ郊外のマンチャイにあるこの小学校はCALOが1999年に訪れ、2000年から算数ドリル配布をしている学校です。
創設者が日系ペルー人のカトリック司祭で、私財を投げ打って砂山がどこまでも続くここマンチャイのスラム街に学校を建てられました。
そのチュキヤンキ神父は私たちが初めて訪れた時「祖母の国、日本からの援助の手です!」と大喜びされ、ドリル配布を始めました。
当初はまだ子どもたちも少なく、全校生徒が235人でした。
しかし、チュキヤンキ神父は精力的に活動し、学校はどんどん大きくなり(CALOも教室の建設に協力しました)、
昨年には生徒は1262人にもなっています。
兄弟で難関大学へ
2013年に代表の梶田雅子さんと一緒にこの学校に行った際に2007年に撮った小学校4年生の子どもたちの写真を見せると、
中等教育に進級している同じ彼らを呼び寄せてくれ、再会し、インタビューしました(Amigos105)。
この厳しい環境の中で落ちこぼれることなくしっかり勉強している子どもたちが口々に算数ドリルへのお礼を言ってくれ、
熱いものがこみ上げてきました。
この中のひとりにマテオ君がいます。そして、中等教育(高校)の彼はインタビューに答えてUNI大学に入って鉱山工学を勉強したいと話していました。
そして彼は相当な努力をして、マンチャイの貧困地域から、見事、UNI大学に進学することができました。
2015年、中等教育5年の若者5人にインタビューを行い、Amigos111にその内容を報告しました。その中のひとりにヘンリー君がいました。
彼のお兄さんはUNI大学に入ったマテオ君だと話してくれました。お兄さんと同じ工学部を専攻したい、
同じUNI大学に入学したいと強く言っていたことを覚えています。
Facebookで連絡を
その後、この兄弟とFacebookで友達になり連絡を取れるようになりました。
UNI大学は国立大学で最も難しい大学の一つです。Universidad Nacional de
Ingieneria(工学国立大学)で、工学部を専攻する学生に人気があります。日本で例えるなら東京大学か京都大学のように倍率が高く、
ペルーの国中から多くの受験生が来ます。
兄のマテオくんは努力して、進学することができたとき、とても喜ばしいことであったため、当時皆さんに報告をしました。(Amigos113)
弟のヘンリー君の合格を祝うペルーの儀式… 丸坊主に!
弟のヘンリー君もその後、中等教育5年を卒業し、予備校に通い猛烈に勉強したそうです。
そうして、今年の1月に彼からUNI大学に12位の成績で合格したとの報告を受けました。
彼は母校であるマンチャイの「ビルヘン・デル・ロサリオ学校」に大学に合格したことをすぐに報告に行きました。
そして家族、ビルヘン・デル・ロサリオ校の校長先生、代表のチュキヤンキ神父たちに囲まれて、
ペルーで昔から大学への合格を祝う儀式が行われました。
それは、丸坊主にすることです。この儀式は男性のみ行います。ペルーでは、大学合格した新一年生の若者を「カチンボ」(cachimbo)と呼びます。
最近は少なくなりましたが、昔は、大学の先輩はカチンボ(新一年生)の後輩に断髪儀式を行い、丸坊主の若者は新入生だと区別をするのです。
今は、頭に卵や小麦粉を振ったりすることもありますが、断髪儀式は少なくなって、家族や、親戚が行ったりすることもあります。
この写真はチュキヤンキ神父がヘンリー君の断髪儀式を行っている時の様子です。
CALOへの感謝と活動を手伝うと
そして、晴れて大学合格をした彼は、CALOへの感謝の思いを伝え、算数ドリルの配布をや、授業の時に手伝いたいと言ってくれました。
日程を組んで、都合がつけば今年の配布事業の時に手伝ってくれるかもしれません。
彼がCALOのジャネットさんと一緒に学校を訪問し、小学校の子どもたちに算数ドリルや絵本の配布ができればいいなと思います。
彼のような卒業生がCALOの活動に関わることが、私たちの夢のひとつです。
その夢の実現に少し近づいたのではないかと、とても嬉しく思っています。ヘンリー君たちの今後の活躍を期待したいです。
そしてこのような若者の育成に力を入れているCALOへのサポートをしてくださっている皆さんに感謝したいです。
今後もCALOの算数ドリルを使って勉強し、大きくなっていった卒業生の様子を、皆さんに報告できればと思います。
今後も皆さんのご協力とご理解をお願い申し上げます。
このページのトップに戻る | 会報誌「Amigos」の目次に戻る | 「ホーム」に戻る
|