Amigos No.127-2
2021年6月


コロナ禍のペルーの今は
<ペルーの現状について>

オチャンテ ロサ

=人口当たりの死者数、世界で最も多く=

 ペルーでは、2021年1月から第2波に入り、 感染者数が拡大してきています。これまでの死者数は6万人以上とされていましたが、 今朝のウェブサイトでは以下のとおりでした。
 『南米ペルーの政府は新型コロナウイルスに感染して亡くなった人の統計をこれまでの2倍以上となる18万人余りに修正し、 人口当たりの死者の数が世界で最も多くなっています。ペルー政府は31日新型コロナウイルスに感染して亡くなった人の数について、 6万9342人としていた公式の統計を見直しこれまでの2.6倍にあたる18万764人に修正しました。』  (6月2日:NHK NEWS WEB)


=厳しいロックダウンやワクチン接種、マスクの義務=人影もまばらなペルー首都、リマ市中央広場

 5月に入り、80歳以上のワクチン接種が終わり、 70代のワクチン接種が始まりました。他のラテンアメリカ諸国に比べると最も遅れている国とされ、 感染者数が収まらないのが現状です。
 感染警戒レベルが設定されたり、午後9時から翌日朝4時までの間は外出禁止、 日曜日の私用車の利用は禁止されたりして人々の移動を極力減らすことにしています。また、二重マスクが義務付けられ、 銀行、ショッピングセンターやデパート、スーパー等では、マスクの上にフェースシールドの着用、 マスクの2枚着用が勧められています。
 しかし、このようなロックダウンや、厳しい警戒の影響で職を失ったり、もともとその日暮らしで生活している人の数が増えてきています。 この数年経済成長を果たしてきていたペルーでは新型コロナウイルスの影響、また、 二度も大統領が交代するなど政治的混乱が常態化したことで、世界で新型コロナの死者数世界1となり、 貧困率が10年前に戻ったと言われています。さらに、元大統領は、 臨床試験(治験)段階の中国製ワクチンを「抜け駆け接種」していたことが発覚し、政府の汚職問題など、激しい批判を浴びています。 医療体制破壊の危機、経済を立て直しなど、次の大統領に大きな仕事が待っているのです。


=その上、大統領選挙も=
 4月11日に1回目の大統領選挙があり、投票で過半数を得る候補者はいなかったため、選挙は上位2人による決選投票です。 2回目の決戦投票は6月6です。選挙上位となったのは、 急進左派の小学校の教師であるペドロ・カスティジョ氏とフジモリ元大統領の長女で中道右派(保守派)のケイコ・フジモリ氏です。
今までの政治家に対するペルー人の不信感から初当選となるカスティジョ氏の支持率が高く、馬に乗ったり、 農業している自分の姿がテレビに映され、貧困層のために働く等、「お金持ちと貧困層の戦いだ」、 「リマ市のエリートと貧困の農村」など国を分断するような発言をしています。 この分断に対して、ペルー人同士における差別をなくそうと多くの著名人が声を挙げ、ペルー人は皆一つだと、 民主主義であるペルーを守ろうと、直接誰かを応援をすることはないようです。 しかし、急進左派のカスティジョ氏への応援ではないと明らかに分かる。
 ケイコ・フジモリ氏は過去の出馬で、ブラジル企業から資金を受け取って、洗浄した罪などで起訴された裁判が続いています。 また長年フジモリ元大統領の政権を批判し、「アンチ・フジモリ票」が高いようです。 しかし、より強硬な共産主義国家の実現を目指すような発言、 国憲法を変えようとしている発言を繰り返しているカスティジョ氏とその政権への懸念や反発が増え、 民主主義を守ろうとケイコ氏に投票すると決める人が増え、このままいけばケイコ氏の逆転勝利も可能であると言われています。

=自宅学習も家庭事情で格差=
 この状況の中、学校の授業は1年以上に渡って対面授業が実施されていなく、対応は学校によって異なっています。 オンライン授業とオンデマンド授業を行われたり、ペルーの教育省が教育番組を作成したり、自宅学習のプログラムが作成されていますが、 デジタル格差が全国にあり、同じ指導を受けられないのが現状です。多くの公立学校では、 担当教員から子どもにWhatsApp(ワッツアップ)というチャットアプリ(海外版のline)を使って、課題や音声による説明を送ったり、 兄弟が多い家庭では一台の携帯を使って先生から説明を聞いたり、課題を受け取ったりしています。
 再び対面授業が実現されるのは未定で、感染者数が多い中、子どもたちを学校に通わせることを反対する保護者も少なくないのです。 医療体制破壊の危機のままでは、再開は難しそうです。
 7月からの新政権の動きから現状が良くなることを願いたいものです。


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