Amigos No.127-1
2021年6月




2021年度 第28回総会に代えて

=Zoomで会議を=


 緊急事態宣言が次の日に発出されるという4月24日(土)14時30分から、 総会に代えてパソコンでZoomによる話し合いを行いました。参加者は8名でした。
 この一年間は新型コロナにより、CALOの活動は全く行うことが出来ませんでした。2020年5月と12月にこの会報Amigosの発行を行い、 現状報告をしてきました。しかし、この「コロナパンデミック」はまさに地球規模で起こっていることであり、 わたしたちが支援している南米ペルーではもっと悲惨な状態だということが分かってきました。 そんな中でわたしたちは今までの活動に固執しながら続けて行くことが双方にとっていいことなのかどうか、について話し合いました。

「CALOの活動の見直し」と役員の交代

 やっと、現地ペルーのスタッフ、ジャネットから2019年度のドリル配布(2020年3月に配布予定だった分)が無事に行われたとの報告がありました。


=「ペルーの子どもたちに算数ドリルを贈る」活動を終了する=

算数ドリル  ペルーの小学校に算数ドリルを配布し始めて今年26年の年月が経ちます。マンチャイの学校の卒業生とロサ、ルイサその間算数ドリルをペルーの子どもたちの手に渡したのは102,841冊になります。 届けるたびに、子どもたちや先生方から、「来年も来て、ドリルを持ってくるよね」と念を押されていました。 先生方へのアンケートでも「重宝している。カリキュラムが違っていても、順序を違えてでも使うことが出来る」などと高評価を受け歓迎されていました。 それでなかなか止めるということはできませんでした。しかし、わたしたちはこのドリルを常に一度も「改訂」していないことに後ろめたさを感じていました。 (日本で使っているドリルはほぼ毎年改定されている)というのも、その作業の大変さもありますが「著作権使用の許可」とも絡んでくるというネックがありました。
 そして、ペルーの経済状態も「良くなった」とはいえないまでも、 この活動を始めた1995年当時と比べると学校という建物もテキストなどの教材も先生方の数も比較的よくなっています。
 この算数ドリルが『初めての自分だけの本』となった子どもたちが大半(教科書は学校で保管されているの中)で、 だから、家で算数の勉強が出来て算数が大好きになり、上の学校へ進んだ多くの卒業生にも会うことが出来ました。
 資金的な問題もあります。算数ドリルを贈る活動は、資金も相当額(1回の印刷費用に約100万円)を必要とします。 大半の資金を支援者の方々に頼ってきました。しかし、支援者の方々のご高齢化などによって十分ではなくなってきました。 そんな時にこのコロナ禍に遭遇し、日頃から考えていた「算数ドリル事業に一区切りをつける」ことを提案しました。 話し合いの結果、総会の参加者の方々に賛同を得て承認されました。


代表 : 梶田雅子からオチャンテ ロサ
事務会計担当:斉藤博行からオチャンテ カルロスへ

 そこでこの度、 代表を退くことにしました梶田雅子に代わって、今まで副代表をしていたオチャンテロサさんが後を引き継いでくれるとこになりました。 彼女は在日ペルー人で、大学准教授という職にあり、在日外国人の子どもたちの問題について、フィールド調査などをもとに幅広く研究している人です。 CALOの活動にも学生時代から参加して大きな力になってくれていました。
 事務会計を斉藤博行さんから引き継いでくれるオチャンテカルロスさんはロサさんのお兄さんで、 彼も大学講師として「外国につながる子どもの教育」などのテーマで研究し学生たちに教えています。 長い間 CALO会員として大きな活躍をしてくださっています。家庭では2人のお子さんのパパです。
 新代表ロサさんの希望もあり、今後のCALOの活動は翻訳絵本活動を続けながら、 在日外国人の子どもたちの問題をどんな形で支援していくことが出来るのかなどを模索していきたいと考えています。 梶田は代表補佐というような役で、彼女の活動への協力をしていきたいと考えています。


=ペルーとのつながりは大切にしていきたい=

 ご承知の通り「算数ドリルをペルーの子どもたちに贈る」事業を中心にCALOの活動が行われていました。 この活動をやめるのならCALO自体も終わりにしようという意見もありましたが、今まで26年間にわたって、 ペルーと日本の間に築いてきたつながりは、あまりにも大きく、それを一方的にやめてしまうのはもったいないという意見もありました。 とくに配布していた学校とは、そのつながりとお互いの信頼感は一朝一夕には築けないほど大きいものです。


= 「ウイズコロナ」の中での活動の模索と改めてご理解とご協力のお願い=

 これからの社会は「アフターコロナ」ではなく「ウイズコロナ」だと言われています。 これからは、今までと同じ活動を続けようとペルーとの交流の再開に手をこまねいて待つのではなく、ここで今できる活動を、 今求められている支援は何かを模索していきます。
 26年間、CALOで一緒に活動してくださった多くの方々、支援という形でわたしたちのこの活動を支えて下さった数えきれないほど多くの方々、 そんな方々と知り合えたこと、触れ合えたことを誇りに思っています。どうか今CALOが到達したこの活動方針をご理解いただき、 改めて今後のご協力をもお願いしたいと思っています。ご意見をいただければうれしいです。よろしくお願いします。


= 翻訳絵本を贈る活動は継続=

 今までのこの活動の実りは大きかった。 それは何年もの間、ペルーで出会った子どもたちの笑顔、教職員の皆さん、 学校まで出向いてわたしたちをいつも歓迎してくださったご家族の方々が証明してくれています。
 また、この算数ドリルの活動があったから次の「翻訳絵本」のアイデアが生まれ、絵本を贈る活動へと繋がっていきました。
 現在まで翻訳絵本の小包を20数回ペルーに発送したり、手持ちして渡ししたりして、約1500冊以上の中古絵本が翻訳文を貼り付け、 きれいにトップコートでカバーされてペルーの小学校の子どもたちの手元に届きました。これらの絵本は各学校の教室の窓際で、 あるいは校長室の本棚で大切に保管されています。 教室でのCALOスタッフによる読み聞かせにはいつも興味を示し、大勢の子どもたちが夢中になっていました。
 この活動は中古絵本を集めて翻訳したスペイン語文を貼り付けるもので、費用もあまりかかりません。ただ、ペルーに送付するのに経費がかかります。 みなさまにご協力をお願いしたいと思っています。

ジャネットの絵本の読み聞かせを楽しむ子どもたち 「おおきなかぶ」の絵本を演じる子どもたち(コマス)





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