Amigos No.122-2
2019年3月


=奈良学園大学の学生たち10名=

大学生が初めてCALOの翻訳絵本作業を体験

オチャンテ ロサ(CALO副代表・奈良学園大学講師)

<ゼミ生に翻訳絵本作り作業を>

 1月31日、奈良学園大学の学生10名と絵本の作業を行いました。
10人の学生は筆者が大学講師になってから初めてのゼミ生です。 学生には私が関わっているCALO「大阪ラテンアメリカの会」や、日本在住の外国にルーツを持つ子どもたちの教育や課題について話したり、 夏休みの間に何人かと外国人住民が約6%の割合で 生活している伊賀市で合宿を行い、実際に外国にルーツのある子どもたちと学習支援、交流会をしたこともあります。 1年間で様々な活動を行ってきました。
 その中で、CALO「大阪ラテンアメリカの会」に参加して翻訳絵本を作る作業を体験させたいとの希望が強くありました。 ゼミ生も参加したい思いはあるものの、クラブ活動を活発に行っているメンバーが多く、 練習、試合、発表会など様々な予定があり、なかなか月一回開催している例会に足を運ぶことができませんでした。 しかし、筆者としては、なんとかして、自分が大学生の時から関わった「CALO」の活動を体験させたい気持ちがありました。 そのため、春休みを利用して「CALO」が集めた中古絵本をもらい、見本と合わせて大学に持って行って、 絵本作業を行うことになりました。学生も私の活動に興味を示し、全員積極的に参加しました。


<工夫しながら丁寧に>

 学生一人ずつ一冊を担当することになって、絵本によって言葉(翻訳文)が細かかったり、 ハサミで細かいシールをカットしてから、見本の通り、またはもっと綺麗にと、貼り方を意識し、工夫していました。
 ほとんどスペイン語がわからない学生で、見本を見ながら恐る恐る、絵本の上にスペイン語のシールを貼っていました。 私も間違わないように字と絵を確認するように指示し、みんなの手伝いをしながら、チェックをしました。
 「CALO」の思いとして、絵本を受け取るペルーの子どもたちや先生方が少しでも日本語に興味を持つように、 日本語の文字をできるだけ残して、スペイン語と日本語のバイリンガル教材としても活用できる願いを説明していたため、 学生は一所懸命に日本語の文字と絵の間にスペイン語訳のシールを貼れるよう工夫しながら、丁寧に絵本の作業を行いました。
 作業しながら、学生と活動について話したり、音楽を流したりするなど、穏やかな雰囲気で作業を行いました。

<スペイン語や絵本を受け取るペルーの子どもたちに思いを馳せて>

  作業しながら学生は、「スペイン語は格好いいね」、「スペイン語をできるようになりたい」と訳文を見ながら、 読み方の練習を行ったり、スペイン語やペルーについて興味を示していました。
 皆が一所懸命作業して完成した絵本をペルーに送り、ペルーの子どもたちがどんな気持ちで受け取るのか想像しながら作業して、 受け取る時の子どもたちの写真を見せたいと強く思いました。寄付で頂いた中古絵本には第二の人生があり、 海外の子どもたちには大きな喜びを運ぶことができることも伝えました。その活動を彼らは新鮮なこととして受け止め、 中古絵本を提供する大切さについても理解できたようでした。どんな絵本があるのか、 既にスペイン語に訳されている絵本のリストも見せ、彼らの周りに中古絵本があるなら、 捨てずに是非寄付するように呼びかけました。

<作業を通してボランティアや海外に興味をもって>

 中古絵本にスペイン語の翻訳シールを貼るという簡単な作業でありながら、受け取る子どもたちのことを考えて、 心を込めて作業することができました。ボランティアや海外に興味がない若者が多いとよく聞きますが、 何故その活動を行うのかきちんと説明すると若者の心に火をつけ、ボランティア精神、 人のために役に立つ大人になろうとすると思います。
 最近の土曜日の例会には、ボランティアに興味を持ち訪れる高校生が増えています。 そうして訪れる若者を大きな心で迎え、スペイン語やペルーについて話し合い、 私たちCALOにとってとても価値のある存在であることを伝えるように迎えています。
 月一回の例会でありますが、子ども連れ、高校生、様々な世代が集まり、交流できる場としてあるのではないかと思います。
いつもご協力して下さる皆さんも、ぜひ一度例会に足を運ばれ、暖かな雰囲気の例会を体験して下さると嬉しいです。
 そして筆者も、できるだけ多くの人に「大阪ラテンアメリカの会」が行っている活動、役割、意義を発信続けていきたいと強く思います。
今年度もどうぞよろしくお願い致します。





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