Amigos No.106-2
2014年3月
数学が好き!ペルーの発展のために働きたい!
マンチャイの「ロザリオの聖母」小学校卒業生たちのなまの声
先の12月号「CALOの算数ドリルとともに育った子どもたち」の記事の中でインタビューをしたことを書いたがその様子を紹介したいと思う。
ずっとビデオに収録し、それをロサ・オチャンテさんが聞いて書き出し翻訳するという作業をしてくれた。
前号にも書いたが、この10人の少年たちとは、2007年8月にこの学校を訪問した時に、校庭で遊んでいて私たちを見つけて集まって来た子どもたち。
その際に撮った写真を偶然持参していた私が学校創始者の神父さんに見せたら、
彼らは全員ここの中等学校にいるから呼んできますといって連れてこられた少年たち(もう青年?)である。成績が良くて呼ばれてきたのではない。
偶然に集まった子どもたち。それだけでも私には感慨深いことであった。
といのも、今まで名前を覚えたり印象的だった子どもを再訪したときに尋ねると「あの子はもういません」「ひっこしました」
「転校しました」…などということがよくあったから、こんな恵まれた学校でずっと学べるのは希少価値があることなのだと思っていた。
今回、この10人の少年たちが一人残らずこの学校で勉強していて再会できるというのは本当にすごいことだと思った。みんな15歳〜16歳である。
日本で言えば高校1年生と言うところのようだ。ペルーでは17歳で中等教育が終わり大学を受験することができる。
あるいはプレパラトリアという学校へ1年行ってから受験する場合もある。自然に進路の話になった。
彼らとの話は次のように進められた。 (以下 Q:質問 A:答え)
Q:みんな、CALOの算数ドリルを覚えている?
みな口々にもちろん覚えているよという。1年から6年まで使っていて、学校でもやったし、
家に持って帰って家で勉強したこともあったという。
Q:この近くに住んでいるの?
みんな、このマンチャイに住んでいるという。
そして、両親が地方から出てきたという子どもたちがほとんど。そして両親は具体的にどこから来られたのかを尋ねる。
クスコ、エスピナル、ヌエボプーノ、アヤクチョ、サンマルティン、チンチャ、ウアンカベリカ、ピウラ、アンカシュ、
カハマルカ、プーノ、アバンカイ、ナスカ、ウアヌコ…などなど、大体、アンデス山脈の村々や地方都市のようだ。
そして、彼らはここマンチャイで生まれた人が多い。
ペルーと言う国の経済活動が首都リマに集中し、現金収入を得るために首都周辺に人口が密集してきている様子の縮図のようだ。
Q:CALOの算数ドリルは役に立ちましたか? どんなふうに?
A:
自信を持って、算数を勉強することができるようになりました。
A:興味をもって楽しく勉強することができました。
A:中学校まで、
数学に興味を持てるようになりました。教訓的であるため。
A:数学が好きになりました。
Q:みんなの好きな教科を教えてもらえる?
A:物理化学(体育?)皆笑い
(Educación física体育 Física物理学)
A:Algebra
(代数学)
A:Biología
(生物)
A:Geometría
(幾何学)
A:Historia
(歴史)
A:Gramática (国語=文法)
A:Historia(歴史)
A:Gramática
(国語)
A:Química
(理科=化学)
A:Geometría (幾何学)
「数学が好きな子が多いね」と現地スタッフのゴンサロさん。
Q:皆大学に行きたい? どのような大学に行きたいですか。
A:UNIウニ(国立工学大学)で鉱山工学を専攻したい。
A: UNIまたはサンマルコ大学に進学し土木工学を勉強したい。
A:サンインナチオ大学でコミュニケーション学を専攻したいです。
A:獣医学。でもまだ大学を決めていない。(コンサロ:アグラリア大学、またはサンマルコ大学=ペルーで一番の大学)
神父様:彼のお父さんも獣医をしています。
A:サンマルティン大学で建築の勉強をしたい。
A:サンマルコ大学または、ビジャレアル大学で経営の勉強がしたいです。
A: UNIで建築の勉強をしたいです。A:ビジャレアル大学、またはウニ大学で、土木工学を専攻したい。
A:アグラリア大学で農学を専攻したいです。アグラリア大学で経営学、または、サンマルコ大学で生物学を専攻したいです。
神父様:アグラリア大学はとても有名です。
A:サンマルコ大学で法律学、またはウニ大学で、土木工学を専攻したいです。
A:ウニ大学で農業技師の勉強、または医学を専攻したい。
A:ビジャレアル大学で心理学を勉強したいです。
Q:入試の準備はどうしていますか?
A:
この学校がやっている予備校に通っています。この学校の生徒は授業料は無料です。
中等教育の4年と5年の生徒が通います。3時から6時までここで勉強しています。
Q:10年後はどうなっていると思いますか?
A:
もう職業をもって、好きな仕事をやっていると思います。
A:
働きながら、二つ目の職業を勉強して、徐々にキャリアアップをしていきたいです。
Q:ゴンサロ(現地スタッフ)からの質問:
皆さんはペルーに残りたい、それとも外国に行きたい? きっと皆さんは、技術や教育のマスターは外国などでしたいと思うでしょうが、
専門職を持ったときにペルーに残りたい? 外国で住みたい?
A:鉱山工学を専攻したい。
ペルーでは鉱物資源が豊かで、ペルーに残るのがいいと思うが、外国に行くチャンスがあれば、とても自分のためになると思う。
でも、外国で色々なチャンスがあるから、沢山の人が外国に行きたがるが、国の発展をおろそかにすることがあるそうです。
だから僕は外国に行っても、ペルーには戻りたい。ペルーの発展に協力がしたいです。
A:リマには住みたいけれど、外国に行くチャンスがあれば向こうで働いてみたいと思います。
A: 更に、自分の専門職の技術を身につけられるのなら、海外に行きたいです。
A:私はこの国が大好きなので、ここには残りたいと思う。チャンスがあれば外国に行ってみたい。
A:私も残りたいと思うけれど、仕事で可能性があれば、行ってみたいです。
でもペルーには戻ります。
A:外国に行くなら弟と一緒に行きたいです。親といつまでも一緒にはいないと思うので。
A:この国では沢山のチャンスがあると思う、自分から探さなければならないだけのことです。
私はここに残りたいです。
A:私もチャンスは自分で探したいと思います。私が専攻しようとしている分野で見ると、
沢山の企業は、ペルーの資源を採って、それを外国に持っていって製品を作り、
それを2倍の値段でこちらに売っています。だからペルーに残って、ペルーのために働きたいです。
A:私たちの生まれたペルーを第一として考えなければならないです。
ペルーは沢山の資源があり、開拓するものは沢山あります。ですので、私はペルーに残りたいです。
でもたまに外国にいって、様々な体験をしていきたいです。
ガストン・アクリオ(世界的に有名になペルー人の料理人)さんのように外国に行って、
また国のために帰ってきたいです。
A:専門の技術を高めるためには外国に行きたい。でもペルーには戻って来たいです。
ペルーの発展のために協力したいです。
*最後に一人の生徒が私たちの前に立ち次のように挨拶をしてくれました:
『今まで、CALOの教材をありがとうございました。 学力の向上に繋がりました。日本への進学のチャンスがあれば頑張りたいと思います。 CALOの皆さんの期待を裏切らないようにしたいと思います。 そして、小学生のためにこれからも算数ドリルの配布を続けて頂けたら有難いです。』
(文責:梶田)
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