Amigos No.89-1
2009年12月
“ペルー活動2009”
11月15日(土)から28日(土)にかけて、CALO会員6名は「ペルー活動2009」のため、ペルーに行ってきました。
昨年度(今年4月)の配布は日本からの会員参加はなく現地スタッフのみで行っていましたので、現地へ行って活動するのは2年ぶりでした。
この2年の間に、現地スタッフ・ジャネットにはかわいいマルティンという男の赤ちゃんが生まれていました。
また悲しいこともあり、いつも手伝ってくれた、カルロス・アルベルト君ががんのために昨年9月に亡くなりました。
学校訪問は17日に2校、18日に2校、19日に1校行いました。そして、各校に算数ドリル、絵本、野球帽などを手渡しました。
毎回のことですが、どの学校も心のこもった感動的な歓迎をしてくれました。そんな歓迎を受けていると、日本でいつも変わることなく協力、
応援してくださっている会員のみなさま方にこの歓迎のひとコマでもお伝えしたくなります。
今年は会員から「子どもたちに絵を描いてもらいそれを持ち帰り、日本で展示する小さな展覧会を開いたら、
ペルーの子どもたちへの親しみや理解が深まるのではないだろうか」との声があり、実行することにしました。
行く前から現地スタッフとの打ち合わせをし、何を使って描くのか、何を描くのか、どの学校の何年生が描くのか...などを考えました。
事前に画用紙やクレヨンなどを購入し、テーマも考えて行きました。3つの学校を選び、訪問日には100枚近くの絵が完成しました。
これらをよりよく、ひとりでも多くの方々に見ていただけるように考えていきたいと思っています。
このほかにもCALOへの歓迎や感謝をあらわす子どもたちの様々な作品が各教室にたくさん展示してありました。全部は無理でしたが、
いくつかをいただいて帰りました。クラスによっては一人ひとりが手紙を書いて封筒に入れてあるものもあり、
これを完成させるのに先生方はどれだけの労力と時間を費やされたのだろうと考えたものでした。
資金の都合で「来年も必ず!」という約束はできない状態での今年の訪問でした。しかし、それを知ってか、
いつもにもまして校長先生はじめ、先生方の熱意をひしひしと感じたのは私だけではなかったのかもしれません。
「ペルー活動2009」報告
INSTITUCION EDUCATIVA NO.2072 “L.S. VIGOTSKI” COMAS コマス(通称)
配布=算数ドリル:411冊、5,6年用解答、 絵本11冊、野球帽45個
5年前の訪問時に、傾いたプレハブの教室が危険なため使えなくなり、新しい教室が必要だから協力してくれと校長から頼まれました。
日本に帰ってこの学校の窮状を訴え、会員の皆さまに協力をお願いしました。教室を建てる土台などに問題があり、
なかなかすんなりと教室建設にこぎつけませんでしたが、やっと2年前の訪問時に合わせて2教室の落成式が行われました。
今回もそれを感謝しての歓迎式でした。2階のCALOの教室にはコンピュータが数台置かれていました。
もう今の日本では見られないくらい古いデスクトップ型です。
「これ、動くんですか?」と聞くと「他の学校でもう使えなくなって廃棄になったのをもらってきたのです。
動かないのですが、CDを入れたらそれだけはできるので、その範囲でやらせています」と。
まあ、コンピュータに触れるということ、マウスの使い方などの練習にはなると思いました。
3年生のひとクラスの子どもたちに「わたしの家族」「わたしの将来」というテーマで約1時間ほどで描いてもらいました。
FE Y ALEGRIA NO. 43 – LA SALLE CARABYLLO フェ イ アレグリア(通称)
配布=算数ドリル664冊、5,6年用解答、絵本11冊
1999年からドリルを配布し始めた学校。いわゆるプエブロホーベン(新しい街)の貧しい地域に建てられたカトリック校。
中学校も併設されており、車からドリルを運び込む時にはいつも中学校の大きいお兄さんたちがよろこんで手伝ってくれます。
今年から新しい校長先生に代わっていましたが、今までの経緯もよくご存じで、来年からのドリル配布も期待していると熱く語られました。
いくつかの教室を訪れ、どの教室でもCALOへの感謝と歓迎の飾り付けがしてあって驚きました。
子どもたちは私たちに対して「見ていってください!」という期待の眼差しを向けているので簡単に見過ごすことができません。
「わーっ、きれいだね。これは誰が作ったの?」「誰のために?」「えーっ、私たちCALOのために?」
「もらっていいの?」「どーぞ、よろこんで」などという会話を交わしながら歩いて回りました。
この学校には10年前に来た時から図書室がありました。今回もそこを見せてもらいました。
10年前に図書室の司書のような仕事をしていた年輩のイギリス人男性がおられ、今回この方に10年ぶりにお会いしました。
「あなたを覚えていますよ。私はこんなに年寄りになりました。」「私もです。」と言って笑い合いました。
その図書室には主に教科書や参考書などが整然と並べられています。絵本などはCALOが贈ったものだけしかないのはさびしいことです。
INSTITUCION EDUCATIVA NO.321 “SAN JUAN MACIAS” RIMACリマック(通称)
配布=算数ドリル411冊、5,6年用解答、絵本10冊
前年度(今年4月)から配布を始めた学校なので、日本からの私たちが訪問するのは今回が初めて。
今までの学校訪問では「貧しい地域の学校に算数ドリルを寄贈したい」というCALOの要望を受け、
現地スタッフが首都のリマ周辺に自然発生的にできた郊外の「新しい街」の中の学校を紹介してくれていました。
しかし、ここは違います。リマの旧市街セントロと呼ばれるところにあります。古い建造物が立ち並び、
狭くて薄暗い石畳の道を行った先にこの学校はありました。
スタッフたちの話によるとここを車で通る時には貴重品は車の床に置いた方が安全だというほど、
今では治安の悪い地域となっているのです。
学校自体は歴史のある古い学校なのですが、来ている子どもたちは経済的に大変な家庭の子どもたちであるとの説明を受けました。
しかし子どもたちは明るく、初めて見るCALOのメンバーを珍しそうに見つめながらも手を振って迎えてくれました。
各教室をまわって、算数ドリルと絵本を持ってきたことを知らせるとみんな大喜びしてくれました。
先生方からは「来年も寄贈してくださいね」と言われました。
INSTITUCION EDUCATIVA NO.3050 “ALBERTO HURTADO ABADIA” INDEPENDENCIA インデペンデンシア(通称)
配布=算数ドリル700冊、
5,6年用解答、絵本11冊
いつも盛大な歓迎式をしてくれる学校として、今までにもよく報告しています。
児童数も多く、校長先生はじめ先生方も熱心で、学年ごとに歓迎の出し物をしてくれます。
そして、手づくりのお土産を一人ひとりに手に持てないくらいいっぱい手渡されます。ここでも4年生に絵を描いてもらいました。
VIRGEN DEL ROSARIO MANCHAY マンチャイ(通称)
配布=算数ドリル566冊、5,6年用解答、絵本:11冊
1999年から配布。当初は3年生までしかなく、まさに砂漠の中の小さな学校でした。しかし、今は中学校まであり、約1500人の生徒数。
歓迎式では立派なブラスバンドも演奏してくれ、なんと、「さくら貝のうた」も。
この地域(新しい街)ではどんどん人口が増えているそうですが、それは他からの流入ということより、
ここでどんどん子どもが生まれて増えているのですと創設者のチュキヤンキー神父。日本人のわれわれには珍しい話でした。
歓迎式が終わり、先生が休憩時間ですと言うやいなや、わーっと歓声が。休み時間がうれしいのだなあと思っていると、
ナント小学生たちが私たちに向かって走り寄って来るのです。
みんな競って私たち一人ひとりにハグし、頬にキッスの嵐….何人の子どもたちとハグしただろう。
人懐っこい子どもたちに囲まれて感動のひと時でした。(梶田)
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