Amigos No.82-3
2008年8月

日本人リマに暮らす(2)

バス料金を値切る

乗客:「50センチモ(1/2ソル)!」

車掌:「だめだ1ソル!」

乗客:「たった8区画だ!」

車掌:「いや、1ソル!」


 バス料金は一応決まっていてフロントガラスの上のほうに表示してある。 市内→1ソル、郊外→1.5ソルが相場で、日曜・祝日はそれぞれ0.2ソル高くなる。  だがごく短い距離を乗るときは上記のような値引き合戦が生じる。 リマの街は概ね約100メートルの正方形に区画されている。したがって8区画はだいたい800メートルということになる。 普通はこの程度の距離なら50センチモでOKなのだが、このときはなぜか車掌のほうが強気なのだ。  リマに暮らし始めた頃、バスに値引き交渉があるなど夢にも知らない私は、素直に表示通りの料金を払っていた。だが次第に慣れてきて見ていると日・祝日でもみんな1ソルしか払っていない。車掌も何も言わずそのまま受け取っている。路線が競合していて客の方がバスより強気なのだ。早速私も実践してみる。日曜日、初めて平日と同じ1ソルを渡してみた。ペルー人はOKでも外国人、特に日本人と見られると規定料金を請求されることが多いので最初はドキドキする。なるべく車掌と目が合わないように〜。車掌はちょっとうさんくさそうな表情をするがそのまま受け取る。  (ヤッター!)と心の中で万歳する。それ以後は強気だ。近い距離を乗るときは「○○通りまで」とか「7区画」などと告げ50センチモ硬貨を渡す。こちらが強気で自信を持っていると車掌もあきらめて何も言わずに通さざるを得なくなる。こんなとき間違っても「○○通りまでいくらか?」などと訊いてはいけない。訊けば相手は必ず 「1ソル」と言うに決まっている。 人間一旦味をしめるとますます図にのるものだ。50センチモで乗る距離をだんだん長くしようとする。ある日10区画ぐらいの距離を乗った。微妙な距離だ。なるべく堂々とした態度で50センチモを渡す。「ノー、1ソル!」ときた。 (そうか、やっぱり!)〜でも粘ってみる。「すぐそこだ!」 「だめだ!」 (うーん、無理だったか)ここは仕方がない。負けだ。  微妙な距離での攻防は勝ったり負けたりでだいたい1勝1敗だ。 50センチモ、約17円の攻防。初めはゲーム感覚で楽しんでいたが、だんだん本気になり、負けるとなんだかものすごくソンしたような気分になるから不思議だ。

ハプニング

 値引き交渉もそうだがリマのバスでは意外なことがよく起こる。いきなり道路から外れてガソリンスタンドに入る。給油するためだ。終点までのガソリンを初めから積んでいないのにはあきれる。というより金がなくて客から集めた料金で払おうという最初からの計算らしい。客も文句言わない。度重なるとこちらも馴れてくる。 もうひとつは故障だ。もともと日本や韓国から中古車を輸入してハンドルを左に付け替え、目いっぱい座席を増やして走っている。こまめに手入れするなどということはしない。エンジン音を聞いただけでヤバそうなのがいっぱい走っている。なんとか終点まで〜とがんばるのだが力尽きて街の真ん中で立ち往生。やむなく乗客を降ろし道端に車を寄せ車体の下に潜り込んで修理となる。もちろん乗客には集めた乗車賃を返すことに・・・。客も乗車賃さえ返してもらえば文句も言わず、次に来る別のバスに平然と乗り換えて行く。普段はバス代を値切る車掌の敵である私だが、降りる客に料金を払い戻す車掌の悔しさを察するとつい同情してしまう。 (だからこまめに手入れをしておけばいいのに!) (つづく)


ありがとうございます! 今年も頂いた支援金 <高槻東ロータリークラブ>

7月18日(金)高槻東ロータリークラブの例会にゲストとして招待されました。そして、例年通り支援金(21万円)を算数ドリル事業のためにと頂きました。 高槻東ロータリークラブからは今年で10年連続して算数ドリル事業のために支援金を頂いています。森山会長の話によると、こんなに連続して同じ団体に寄付をし続けるということはロータリークラブでは異例のことだという事でした。それだけ、森山会長はじめ歴代の会長、ならびにクラブ会員の皆様方の深いご理解とご協力の賜物だったことを痛感しています。CALOの今までのドリル事業の1/5近くもの大きい比率で支えていただいたことになります。また、今回クラブ会員の方々が会長の呼びかけでCALOの賛助会員になってくださいました。本当にありがとうございました。(梶田)


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