Amigos No.126-1
2020年12月



感染者が増え続ける新型コロナ

CALOの活動も制限されて

 どなたにとってもこの一年は今までに経験したことのないような「特別」な一年だったのではないでしょうか。みなさま、お元気でお過ごしでしょうか。
 わたしたちCALO(大阪ラテンアメリカの会)に携わっている者にとっても右往左往の日々でした。
 先号(NO.125)を発行してから、6月〜12月までの7か月間で予定通り例会を持てたのはわずか3回でした。というのも、 毎日の感染者数のニュースを見て「不要不急の用では外出しないように」との呼びかけをまったく無視することもできなかったからです。 そして、どうしても意見交換をしたいときにはスマホのラインでのリモート話し合いを持ちました。
 例会に集まってくれるメンバーはまさに「老若男女」なので感染に注意を払わなくてはなりません。 例会では部屋のドアも窓も開け放って、離した椅子に座りマスクをつけて話し合うので大変です。


「算数ドリル事業」は来年に繰り越すことに

 先号でお知らせしたとおりCALOのおもな事業である「算数ドリルをペルーの子どもたちに贈る」と「翻訳絵本をペルーの子どもたちに贈る」 についても、今年は実行が不可能となっています。出来上がっている算数ドリル3000冊現物は出版社ビブロスが保管してくれています。
 皆様から頂いているご寄付は来年の事業のために、そして、緊急の援助が必要な時に使わせていただき、報告させていただきます。 どうぞよろしくお願いします。
 この号ではペルーからの報告を二つ紹介します。支援している学校の様子はどうなのか気になりますが、 今はほとんどネットによる授業のようです。子どもたち一人一人に連絡を取るのも大変だった様子が報告されています。 そして、南半球のペルーは夏に向かっているのです。


ペルーからの報告 T

=コマスの小学校から=


 この小学校はCALOが20年近く支援してきた学校ですが、他の学校は訪問のたびに少しずつ困難から抜け出しているという印象を持つのですが、 この学校は先生の熱心さにもかかわらずいつも何かしら問題を抱えている様子でした。校長先生も新しくなり、その校長先生の報告です。 短くまとめさせてもらいましたが綿々と窮状がつづられていました。 それはコロナというよりもともとこの学校が置かれている問題の多い状況に起因しているのではという印象を受けました。  (梶田)


コマスの小学校 このコロナ禍は突然に襲って来たので、「家で学ぶ」という遠隔授業に適応することは、 誰も対面教育からオンラインに移行する準備ができていなかったため、とても混乱しました。
 最初に行ったのは、生徒のリストを作って、連絡を確かめることでした。入学の時に登録した携帯電話は場合によって、保護者の電話ではなく、 親戚や友人の番号を書いたりしていた人もいたからです。最初は一人一人に電話をかけ、そして携帯電話がない家庭では、 近所に住む他の保護者の協力を得て、やっと全員に連絡をすることができました。学校のお知らせはFacebookなどのSNSを利用したり、 学校の外にも各先生の連絡先を貼って、直接連絡を取るようにとお願いなどもしました。このようにして、 1カ月かかって生徒の連絡先をデータ化することができました。
 最初は「家で学ぼう」という遠隔授業のオンライン教材を利用して、保護者にはその教材のリンク等を送ったり、 WhatsApp(海外版のLINE)も利用して保護者と連絡を取ったりしました。各学年に合わせた遠隔授業に慣れるのがとても大変でした。
 私たち教員はこのパンデミックに大きな挑戦を強いられました。 パソコンのWord、Excel、PowerPointなどを利用して授業を作ることになり、ビデオ作成をしました。
 ほとんどの子どもたちは家にパソコンを持っておらず、携帯電話(スマートホン)を使用しているのですが、 画面が小さすぎるので正しく見ることができません。
 現在、教師は、生徒をサポートし、学年に必要な学力に達成させるために、 電話またはビデオ通話を通じて学生にフィードバック(見直し)を行ったり、それらの経験をまとめたりしています。
 私たちは今、新型コロナ感染拡大によって深刻な社会的危機に陥っています。天然資源が豊富な国であるにもかかわらず、 政府の明らかな腐敗によって貧困が蔓延し続けているのです。

カルメン ロサ(コマスの小学校の校長)



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