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Amigos アミーゴス No.79  2008.02

南米ペルー大地震救済金 マト・グロッソへ

昨年8月15日に南米ペルーの南部、ピスコやイカ地方に大地震が起こりました。その数日後、18日にペルー・リマに降り立った私たちは、街をあげてこの地震被災者たち支援しようという機運を感じていました。しかし、また一方では、被災地までは十分な援助が届いていないという声も多くの人々から聞いて帰ってきました。さっそく例会で報告し、10月発行のAmigos NO.77紙上で「救援キャンペーン」を行うことを決め、皆様からの募金をお願いしました。暖かい救援金は97,950円になりました。

送金先をどこにするかについて、現地スタッフ・ジャネットと何度も打ち合わせをしました。この救援金をより有効に生かせてくれて、どのように使われたかを皆様に報告できるところをということに重点を置きました。  1月24日、三菱東京銀行より、リマのジャネットに1000ドル(約107000円)を送金しました。昨年コマスの教室増設の際に送金したときに比べて、ドル安になっていたので助かりました。1000ドルに足りない分と手数料はCALOから足して送金しました。

1週間もたたずにジャネットの口座に届き、その日のうちにマト・グロッソ(Mato Grosso)」のウゴ・デ・センシ(Ugo de Censi)神父に送金され、大変喜んでいたとメールが届きました。 援助金に「マト・グロッソ」に贈ることに決めたのは、こちらからの相談のメールに対してジャネットからの次の返信メールによってです。

「ウゴ・デ・センシというカトリックのイタリア人神父がひとつの大きな組織を運営しています。彼は首都リマとアンデスにある街ワラスで働いています。アンデスでたくさんの貧しい人々に材木の仕事を教えています。その組織はまったくのボランティアでお金は取りません。作品は非常に優れていて、今、彼らはチンチャというところで働いています。そして、彼らは被災地の人々を助けるために22軒の家を建てています。ここにCALOの支援金を寄付したらいいのではないかと私は思います。この組織をは"マト・グロッソ"といいます。マト・グロッソならその寄付金を有効に使い、私たちもそのお金がどのように使われるのかを知ることができます。そして、本当に助けが必要な人々に渡されているのかも知ることができます。 ジャネット」

寄付金の領収書

地震被害地の復興のために送った支援金を受け取ったとの領収書がジャネット経由で届きました。
これはマト・グロッソというNGOをもつウゴ神父の属するワリのカトリックの司教区が出しているものです。内容は下記のとおりです。

 
リマのサンタベアトリス アレハンドロ ティラード通り158にあるワリの司教区は、 チンチャ(ペルー)の新しい街(地震の被災地に作られている)に22軒の家を建てるために、 NGO のCALOから1000ドルの寄付金を受け取った。 2008年2月1日、ワリの司教区の銀行口座にその寄付金は振り込まれた。
 
2008年2月5日
司教区 代理人 プレシオ・ステファノ(署名)

現地「マト・グロッソ」から、報告の写真など届き次第、また掲載します。

ペルーの子どもたちに「絵本を贈ろう!」

箕面市立東小学校で出前授業

2月14日(木)箕面市立東小学校、6年生のためにCALOから「出前授業」を行ってきました。吉冨允子さんと梶田雅子です。
6年生3クラスの中で、バングラディシュ(エンゼル協会)、タイ(サワディ)、ペルー(CALO)に分かれてそれぞれの教室に集まりました。

前日まで小雪のちらつく寒い日でしたが、この日は晴れて教室の中はホカホカ陽気につつまれてCALOの「出前授業」は始まりました。
集まってくれた30数人はみんな興味津々のまなざしで私たちの話を聞いてくれました。まず、南米ペルーについて「ペルーはなぜスペイン語?」という問いに皆の頭に「?マーク」が。地球儀で、ヨーロッパのスペインから南米のペルーの位置関係を確かめます。それからコロンブスの話、植民地の話へ。時間が押してきています。吉冨さんの「カルチャーボックス」へバトンタッチです。

ペルーのマンタやポンチョ、牛追いに使うオンダ、木の実のマラカスなどを見せて、何の道具なのかをクイズのようにして考えていきます。これらの道具のように、国が違えば文化も違うこと、それぞれの違いを大切にすることによって人種差別やいじめなどがなくなるのではないか。現在もペルー人の小学生の言葉の支援をしている吉冨さんの話を児童たちは熱心に聴いていました。次にいよいよ絵本の作業です。

前もってリストの中から23冊の絵本を集めてくれていて、今日はそれらの絵本にスペイン語訳のシール貼りをしてくれるのです。
まず、ビデオでペルーの小学生たちが贈られた絵本をどんなに喜んでいるかを見てからの作業でした。作業の手順の説明もみんな真剣によく聞いてくれて、一生懸命に取り組み、段取りよくできました。
最後に名前のシールを貼って完成です。手伝ってくださった先生方、そして、6年生のみんなありがとう!給食までご馳走になって心身ともに満腹して帰りました。(梶田雅子)

総会のおしらせ

2008年CALO総会を下記の通りおこなう予定です。次号(4月初旬発行)にて詳しくお知らせしますのでよろしくお願いします。

こちらニカラグアです! No.8  中原里美

この2年の5大ニュース

Caloのみなさん、こんにちは。南米ニカラグアのマナグアからのお便りです。
マナグアで2回目の年越しも、昨年同様、爆竹の音と共に新年を迎えました。お正月といっても、こちらでは2日から仕事を始めるのが一般的です。なので、なんだか新年という感慨は少なく、なんとなく新しい年が始まったという感じです。

さて、2006年から始まったこの「マナグアからのお便り」も今回を持って最終回となります。(と、著者中原さんは書いていますが、今回は字数がたくさんあったのと、名残惜しいということで、2回に分けてお送りします。したがって、5大ニュースの1位と2位は次回のお楽しみとさせていただきます=編集=)今日はこの2年間を振り返って、私の印象に残った出来事を、独断で5大ニュースの形式で紹介します。


5位:合成酒で死者多数

2006年9月ごろ西部にあるレオン市で起こった事件です。バーなどで出された合成酒を飲んだ人が次々に倒れ病院に担ぎ込まれました。これは、安い合成酒にメタノールが混ぜられていたことから発生しました。テレビや新聞でも報道され、市内の病院は患者であふれていました。安く粗悪な合成酒による中毒ということで、被害者の多くは貧困層の人々でした。手当てを受けた人は500人以上、死亡者は30人にものぼると報道されました。

緊急事態宣言が出され、アメリカからも緊急援助が入ったくらいです。日本でも第二次大戦後の混乱の中、メタノール入りのお酒が出回り犠牲者が多数出たと聞いたことがありますが、貧困国ではまだまだ現実の事件になりえるということ、そして被害を受けるのは貧困層の人々。とても悲しいで事件でした。

4位:レプトスピラ症の流行

皆さんの頭に「?」という記号が浮かんでいるのが目に見えるようです。レプトスピラ症とは、国立感染症研究所によりますと「病原性レプトスピラ感染に起因する人獣共通の細菌感染症である。病原性レプトスピラは保菌動物(ドブネズミなど)の腎臓に保菌され、尿中に排出される。ヒトは、保菌動物の尿で汚染された水や土壌から経皮的あるいは経口的に感染する。」とあります。要するに、菌で汚染された水や土と接触すると感染してしまうという病気です。人から人への感染はありません。

ではなぜこの感染症が流行ったかといいますと、それは第3位に挙げているハリケーンフェリックスが原因となっています。2007年9月頃、ニカラグアの太平洋側北部はこのハリケーンによる集中豪雨で、洪水が起こり土砂が崩れ下水が氾濫しました。このことにより、被災した人々が土砂や汚水と接触し感染症が蔓延したのでした。

3位:ハリケーンフェリックス、南米ニカラグア北東部直撃

2007年9月4日にハリケーンの直撃を受けました。これは、日本でも報道されたでしょうか。私の住んでいる首都マナグアには直接的な被害は無かったのですが、北東部の人々は、大きな被害を受けました。被災者は20万人とも言われ、100名以上の人が亡くなっています。この災害も、途上国の災害でよくあるように人災の面が大きかったようです。

首都マナグアからすればカリブ海岸は陸の孤島のような感じで、その自治区はメディアに乏しく、加えて貧困も深刻です。漁業が盛んなのですが、ハリケーンが直撃するという情報を得ることが出来た人は限られており、直前に漁に出て遭難してしまった人も大勢いたそうです。その一方で情報を得ていた役所の人たちなど一部の人は、早々と避難をしていたとも言われ批判の的になりました。
少し内陸に入った地域では、それまで森林だった場所で樹木がなぎ倒されて野原になってしまい環境が変わってしまったり、川の流れが変わったりと、農業などを営んでいた人たちの生活も困難にさせてしまいました。そして多くの人が家を失い家族を失いました。
この災害に関しては、日本からも緊急援助が届きました。数ヶ月経った今も、救援物資に頼って生活している被災者が大勢います。復興にはまだまだ時間がかかりそうです。

第2回地球市民セミナー

箕面発ペルーへ! 大阪ラテンアメリカの会(CALO)の取り組みを通して

自らNGO活動を立ち上げたいあなた、また、NGO活動に参加したいとおもっているあなた、経験者である梶田雅子さんのお話を聞き、将来に向けて視野をひろげてみませんか?

書評『ペルーの子どもたちに算数ドリルを!』 梶田雅子著


一月十四日発行の「日本教育新聞」(日本教育社発行)に、『ペルーの子どもたちに算数ドリルを!』の書評が掲載されました。当、大阪ラテンアメリカの会創設以来、十三年間の歩みをさまざまなエピソードを挟みながら書いています。まだお読みでない方はぜひご一読ください。申し込みは各書店および次のファックスでどうぞ。(072―728―6636)

講演会 サロモン・レルネル・フェブレス博士 (ペルー・カトリック大学名誉学長)

T. 『暴力の記憶と民主主義の確立:ペルーの経験から考える』
   日時 : 2008年3月18日(火) 18:00〜20:00
   会場 : 大阪大学中之島センター 7階 講義室2(参加無料)

U. 『大学、民主主義と発展:ラテンアメリカからの展望』
   日時 : 2008年3月21日(金) 18:00〜20:00
   会場 : 大阪大学中之島センター 2階 講義室1(参加無料)

*講演はスペイン語で行われます(通訳つき)
問い合わせ先:大阪大学大学院人間科学研究科、グローバルCOE事務局
E-Mail: gcoejimu@hus.osaka-u.ac.jp
電話 06-6879-4046


あとがき

リマのプエブロホーベンで長年、ボランティアとして働いておられる大橋美智子さんが一時帰国中でお会いしました。支援金を贈った「マト・グロッソ」をよくご存知で、いいところに支援しましたね、と。 印刷の前日が「出前授業」(p.3)。大急ぎの紙面作成でした。 まだ先ですが、4月19日(土)総会と予定しています。詳しくは次号で。(M)

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